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text:sesuisho:n_sesuisho7-067

醒睡笑 巻7 謡

9 仏には毛があるかなきものか・・・

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「仏には毛があるか、なきものか」。「いや、ない。無げ光仏1)とあり」。「いやある。けぶつ菩薩2)といへり」。互ひに論じて、堂坊主に判談を受けければ、「あるにあらず、なきにあらず」。「それは何事ぞ」。熊野(ゆや)3)の謡に、『末世一代けうすの如来4)』と作りたほどに。

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一 仏には毛があるかなき物かいやない無(む)け光(くわう)
  仏とありいやあるけぶつほさつといへり互(たかい)に/n7-37r
  ろんじて堂坊主に判談をうけけれはあ
  るにあらすなきにあらずそれは何事ぞ
  ゆやの謡(うたひ)に末世一代(まつせいちだい)けうすのによらいと
  つくりたほどに/n7-37l
1)
無碍光仏。阿弥陀如来の異称。
2)
化仏菩薩
3)
謡曲「熊野」
4)
教主の如来・毛薄の如来
text/sesuisho/n_sesuisho7-067.txt · 最終更新: 2022/08/15 16:44 by Satoshi Nakagawa