text:sesuisho:n_sesuisho7-057
醒睡笑 巻7 廃忘
14 月次の初心講に入りてはあれどふるふふるふの風情なれば・・・
校訂本文
月次(つきなみ)の初心講に入りてはあれど、ふるふふるふの風情なれば、指南する人あはれみ、一順の句を暦のうらに書きてつかはし、何となう脇に置き、見ぬふりし句を出だすやうに言ひ含めつる。
うかぶ間にはや句回り、わが手前になりぬ。あはてて句を忘れ、暦の表(おもて)を見つつ、
かのとのひつじかまぬるによし1)
翻刻
一 月次(なみ)の初心講(かう)に入てはあれどふるうふるう/n7-33r
の風情(ふせい)なれば指南(しなん)する人あはれみ一順(しゆん)の 句を暦(こよみ)のうらに書てつかはしなにと なうわきにをき見ぬふりし句を出す やうにいひふくめつるうかふまにはや句 まはり我手まへになりぬあはてて句を忘(わすれ) 暦のおもてをみつつ かのとのひつじかまぬるによし/n7-33l
1)
辛未、釜塗るによし。
text/sesuisho/n_sesuisho7-057.txt · 最終更新: 2022/08/01 17:08 by Satoshi Nakagawa