text:sesuisho:n_sesuisho7-009
醒睡笑 巻7 思の色を外にいふ
9 雑談に心の奥の見ゆるかな言の葉ごとに気をつかふべし・・・
校訂本文
1)雑談(ざふたん)に心の奥の見ゆるかな言の葉ごとに気をつかふべし
ともあれば、難波(なには)2)につけ、常の心を言ふなること、この表八句にて工夫あるべし。
いかなるかこれ秋の夜の月 曹洞5)
行つくす江南数日(すじつ)雁鳴きて 儒者(じゆしや)
西より来たる風の凉しさ 浄土6)
そこにこそくせ物仏(ぶつ)はあるものを 当宗7)
金剛界胎蔵界の春の花 真言10)
諸法実相へだてあらじな 天台11)/n7-8l
翻刻
一 雑談(そうたん)に心の奥の見ゆるかな 言の葉ことに気をつかふへし ともあれは難波(なには)につけ常の心をいふなる事 このおもて八句にて工夫あるべし しとやみやけらこが嶽(だけ)の木々の露 済家(さいか) いかなるかこれ秋の夜の月 曹洞(そうとう) 行つくす江南(こうなん)数日(すじつ)雁なきて 儒者(じゆしや) 西よりきたる風の凉しさ 浄土(しやうと) そこにこそくせ物仏は有物を 当宗(たうしう)/n7-8r
何なまふたととなへさるらん 時衆(ちしう) 金剛界胎蔵界の春の花 真言(しんこん) 諸法実相へたてあらしな 天台(てんたい)/n7-8l
text/sesuisho/n_sesuisho7-009.txt · 最終更新: 2022/06/14 22:54 by Satoshi Nakagawa