ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho6-129

醒睡笑 巻6 うそつき

9 京辺土のことならば幾度も見たが病で知らぬといふ所はなし・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

「京辺土(きやうへんど)のことならば、幾度も見たが病(やまひ)で、知らぬといふ所はなし。世の中の人の見たなど言ふは、白河を夜舟に乗りたるたぐひならん。それがしがやうに見覚えたる者はあるまいと思ふ」。「うらやましや。さて、祇園と清水1)との間は、いかほどの遠さぞや」と問ふ時、扇に書きたる絵を広げ、「それは一寸ほどあらうまでよ」と。

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 京辺土の事ならは幾度も見たがやまいて
  しらぬといふ処はなし世中の人のみたなといふは
  白河を夜舟にのりたるたくひならん某か/n6-63l
  やうに見覚たる者はあるまいと思ふ浦山
  しやさて祇園と清水との間はいかほとのとをさ
  そやと問時扇に書たる絵をひろけそれ
  は一寸ほとあらふまてよと/n6-64r
1)
清水寺
text/sesuisho/n_sesuisho6-129.txt · 最終更新: 2022/06/07 12:09 by Satoshi Nakagawa