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醒睡笑 巻6 うそつき
1 播州に風の神とて宮あり下り舟の船頭宿願して順風を乞ふ・・・
校訂本文
播州1)に風の神とて宮あり。下り舟の船頭、宿願して、順風を乞ふ。五日・六日過ぐれども吹かず。その感応なき旨(むね)を社人にことわりければ、巫(かんなぎ)、「さればよ、さる方より上(のぼ)り風を所望あるまま、まづその風を吹かせらる。この次は、やがてその方(ほう)望みの風を吹かずべし」と。
あたら正直の神を、見事のうそつきにしないた2)。
翻刻
うそつき 一 播州に風の神とて宮ありくたり舟の船頭 宿願して順風をこふ五日六日過れともふかず 其感応なき旨を社人に理ければ巫されば よさるかたよりのほり風を所望あるまままづ 其風をふかせらる此次はやがて其方望の 風をふかすへしと あたら正直の神を見事のうそつきにしないた/n6-60l
text/sesuisho/n_sesuisho6-121.txt · 最終更新: 2022/06/05 11:52 by Satoshi Nakagawa