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醒睡笑 巻6 推はちがうた

37 ある侍の指物にふへんものと書きたり・・・

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ある侍1)の指物(さしもの)に、「ふへんもの」と書きたり。家のおとなたる人見付け、「これはさし出でたる言葉2)さうな」ととがめければ、「いやとよ。私の心持ち、かくれもなき不便者(ふべしんしや)と、述懐の旨(むね)を書きて候ふ」とぞ。

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一 ある侍のさし物にふへんものと書たり家
  のおとなたる人みつけ是はさし出たることは左
  右なととかめけれはいやとよ私の心持かくれ
  もなきふへしんしやと述懐の旨を書て候とそ/n6-60r
1)
前田利益・前田慶次郎の逸話と伝えられる。
2)
「武辺者」と読んだ。
text/sesuisho/n_sesuisho6-120.txt · 最終更新: 2022/06/03 15:35 by Satoshi Nakagawa