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text:sesuisho:n_sesuisho6-106

醒睡笑 巻6 推はちがうた

23 継母に添へる子ありかの子をなつけて人の問ふ・・・

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継母に添へる子あり。かの子をなつけて、人の問ふ。「何と今の母は、いたいけに育(はごく)むことありや」。七つ八つなる子が返事に、「われを養へるは雀の子を飼ふやうにせらるる」と。「さても奇特(きどく)や。継子をば憎むものなるに、ためし少なし」と感じければ、「いや、物をいかにもちとづつくれらるる。多く食ふたらば、喉(のど)に瘻(ろ)が出来うかと思うてやら」。

  継母の盛りたる飯(いひ)は富士の山汁をかくれば浮島が原

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一 継母にそへる子あり彼子をなつけて人の
  とふなにと今の母はいたいけにはこくむ事有
  や七つ八つなる子か返事にわれをやしなへる
  は雀子をかふやうにせらるると扨もきどくやまま
  子をはにくむ物なるにためしすくなしと感しけ
  れはいや物をいかにもちとつつくれらるるおほくくふ
  たらば喉にろがてきうかとおもふてやら/n6-52r
   まま母のもりたるいひはふしの山
   汁をかくれはうきしまかはら/n6-52l
text/sesuisho/n_sesuisho6-106.txt · 最終更新: 2022/05/29 12:19 by Satoshi Nakagawa