text:sesuisho:n_sesuisho6-052
醒睡笑 巻6 児の噂
52 児の膳に香の物あるを脇にゐたる僧取りて食ふ・・・
校訂本文
児(ちご)の膳に香の物あるを、脇にゐたる僧、取りて食ふ。児、「わが秘蔵(ひさう)に思うて置きたるを」と言はるる時、かの坊主、「一つは、御膳に候ふと存ずれば、何とやなつかしさに。または、常のよりもよくなるがおもしろさに」と申したり。児、腹を立て、「鳴るがおもしろくは、鉄砲を食はれよ1)」と。
翻刻
一 児の膳にかうの物あるを脇に居たる僧/n6-24l
とりてくふ児我か秘蔵におもふて置たるを といはるる時彼坊主一つは御膳に候と存ず れは何とやなつかしさに又はつねのよりもよく なるか面白さにと申たり児はらをたてなるか おもしろくは鉄炮をくふれよと/n6-25r
1)
「食はれよ」は底本「くふれよ」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho6-052.txt · 最終更新: 2022/05/01 12:20 by Satoshi Nakagawa