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醒睡笑 巻6 児の噂

30 山寺に児や法師まじはりいろいろの物語するついで・・・

校訂本文

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山寺に児(ちご)や法師まじはり、いろいろの物語するついで、「正月ある事は五月必ずあるとなれば、よろづを祝ひも慎しみ1)もせんものぞ」と語る人ありしに、児、「さては、正月あることは五月もあるよなう。あこは、さうは思はぬ。正月は餅を再々見もし、食ひもしたが、五月の今日は二十八日になれど、餅とては一つも見ぬほどに」。

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一 山寺に児や法師ましはりいろいろの物語
  する次て正月ある事は五月かならすあるとな
  れは万をいはひもつつしゝもせん物そとかたる
  人ありしに児さては正月ある事は五月もある
  よなふあこは左右はおもはぬ正月はもちをさいさい
  見もしくひもしたが五月のけふは廿八日になれど
  餅とては一つも見ぬほとに/n6-16r
1)
「慎しみ」は底本「つつしゝ」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho6-030.txt · 最終更新: 2022/04/23 22:59 by Satoshi Nakagawa