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text:sesuisho:n_sesuisho6-029

醒睡笑 巻6 児の噂

29 児の泊りに来て夜はやうやう更けゆけど菓子をさへ出すよしもなければ・・・

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児(ちご)の泊りに来て、夜はやうやう更けゆけど、菓子をさへ出すよしもなければ、枕を取り上げ、口に当て当てしけるを、そばなる者、「それは何といふことぞや」。「わざと祝うて、歯に物をあてそむる」と。

平清盛公、大塔再興ありて参詣の時、つつがなき歯を一つ、手づから抜き、奥院に籠め給ひ、

  高野山(たかのやま)おろす嵐のこはくともこのはは1)残せ後の世のため

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一 児のとまりにきて夜はやうやうふけゆけど
  菓子をさへ出すよしもなけれは枕を取あ
  け口にあてあてしけるをそはなる者それは
  なにといふ事そやわさといはふて歯に物
  をあてそむると
  平清盛公大塔再興ありて参詣の時つつが
  なき歯を一つ手つからぬき奥院に籠給ひ
   高野山おろす嵐のこはくとも/n6-15l
   此はは残せ後の世のため/n6-16r
1)
この歯は・木の葉は
text/sesuisho/n_sesuisho6-029.txt · 最終更新: 2022/04/23 23:00 by Satoshi Nakagawa