text:sesuisho:n_sesuisho5-085
醒睡笑 巻5 人はそだち
18 堂前に古りたる松一本あり老僧少人にたはぶれ・・・
校訂本文
堂前に古りたる松一本あり。老僧、少人にたはぶれ、「あの松は男松(をまつ)であらうか、妻松(めまつ)であらうか知れぬよ」。
歌よみの子息出で、「妻松にてあらん。月の障りになるほどに」。
土民の子、「いや男松にすうだ。あれほど松ふぐりのあるものを」。
天の橋立にて 雄長老
橋立の松のふぐりも入海の波もて濡らす文殊のしりかな1)
翻刻
一 堂前にふりたる松一本あり老僧少人にた はふれあの松は男(を)松であらふか妻(め)松て/n5-60r
あらふかしれぬよ哥よみの子息出妻松にて あらん月のさはりになるほどに土民の子 いや男(を)松にすうだあれほど松ふぐりの あるものを 天のはしたてにて 雄長老 橋立の松のふぐりも入海の 波もてぬらす文殊のしりかな/n5-60l
1)
文殊師利・文殊の尻
text/sesuisho/n_sesuisho5-085.txt · 最終更新: 2022/03/23 13:03 by Satoshi Nakagawa