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text:sesuisho:n_sesuisho5-080

醒睡笑 巻5 人はそだち

13 商人の子を寺に置きたれば毎朝とく机にかかりいで店出さうやれと言ふ・・・

校訂本文

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商人の子を寺に置きたれば、毎朝とく机にかかり、「いで、店出さう、やれ」と言ふ。師の 坊主聞きかね、「寺林(じりん)にゐるは何の用を。『蓬(よもぎ)麻の間に生じ、矯(た)めざるに直し』と。良きを学び悪しきを直さんためにあらずや」と、面(つら)を一つ張りけり。頬をかかへ、「あら、麻おふせ1)が悪いよ。しかも米かみ2)をくはせたは」と。

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一 商人の子を寺に置(おき)たれば毎朝とく机(つくへ)
  にかかりいてみせださふやれといふ師の
  坊主聞かね寺林にゐるはなにの用を蓬生(よもきしやうして)/n5-58r
  麻間(あさのあいたに)ためざるになをしとよきをまなびあ
  しきをなをさんためにあらすやとつらを
  一つはりけりほうをかかへあらあさあふせかわ
  るいよしかも米かみをくはせたはと/n5-58l
1)
麻生ふ畝・朝仰せ
2)
米噛み・こめかみ
text/sesuisho/n_sesuisho5-080.txt · 最終更新: 2022/03/21 22:01 by Satoshi Nakagawa