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text:sesuisho:n_sesuisho5-048

醒睡笑 巻5 上戸

6 年の内の立春にめでたしとて奉公の衆おのおの出仕をとげけり・・・

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年の内の立春に、めでたしとて、奉公の衆、おのおの出仕をとげけり。すなはち飯器(はんき)を盃に出だし、「これにて一つづつのおとほり」と定む。

古老の人、二盃受くる。「それは何とて」と咎められ、「かしこまりて候ふ。

  年の内に春は来にけり一年を去年とやいひわん今年とやいひわん1)

と吟じて、時の今日をぞもよほしける。

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一 年の内の立春に目出たしとて奉公の衆
  各出仕をとげけり即飯器(はんき)を盃に出し
  これにて一つつつのおとをりとさたむ古老の
  人二盃うくるそれはなにとてととがめられ
  畏て候
   年のうちに春はきにけり一とせを
    去年とやいひはんことしとやいひはん
  と吟じて時の今日をそもよほしける/n5-41l
1)
言はん・飯椀
text/sesuisho/n_sesuisho5-048.txt · 最終更新: 2022/03/06 12:32 by Satoshi Nakagawa