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text:sesuisho:n_sesuisho3-051

醒睡笑 巻3 不文字

32 禅宗の檀那と一向宗の檀那と寄り合ひ語りゐ・・・

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禅宗の檀那と一向宗1)の檀那と寄り合ひ語りゐ、「何といふことに、お御堂の、お寄り合ひの、お讃談(さんだん)の、お勤めのと、何にもおの字を付けては言ふぞや2)」と言ひければ、「こちの宗旨はかりおの字を言ふでもあるまいぞ。そちの宗3)にも、おの字を付けて言ふは」と。「何物に付けたぞ」と。「おしやうさま4)といふは、さて」

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一 禅宗のたんなと一向宗のたんなとよりあひ
  かたりゐなにといふ事にお御堂の御よりあひ/n3-23r
  のおさんたんのおつとめのとなににもおのじを
  つけてはいふぞやといひけれはこちの宗旨
  はかりおの字をいふてもあるまいぞそちの
  家にもおの字を付ていふはとなに物につけ
  たそとおしやうさまといふはさて/n3-23l
1)
浄土真宗
2)
以上禅宗の檀那の言葉。
3)
「宗」は底本「家」。諸本により訂正。
4)
和尚様の禅宗での呼び方。ただしくは「をしやう」。浄土真宗では「わじやう」。
text/sesuisho/n_sesuisho3-051.txt · 最終更新: 2021/11/03 16:41 by Satoshi Nakagawa