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醒睡笑 巻3 不文字
29 人ありて作善を勤むるごとに・・・
校訂本文
人ありて作善(さぜん)を勤むるごとに、僧と同じく大俗(だいぞく)列座し斎(とき)を給はるを、何者の言ひ出だしけん、鬚僧(ひげそう)とこれを呼ぶ。
この鬚僧といふを覚えそこなうて、しかもこばかしたる者あり。堺にてのことぞとよ。ある禅門、十徳の袖の長きを着、知人に行き合ひぬ。「いづれへ」と問ふに、禅門、「今朝はひらのやへ斎ありて、会下僧(ゑげそう)に行くは」と。
翻刻
一 人ありて作善をつとむる毎(ことに)僧と同しく 大俗(ぞく)列座(れつざ)し斎(とき)をたまはるをなに者の いひ出しけん鬚僧(ひげそう)とこれをよぶ此ひげそうと いふをおほえそこなふてしかもこはかしたる/n3-22r
者あり堺にての事そとよある禅門十徳の 袖のながきをき知人に行あひぬいつれへととふ に禅門今朝はひらのやへ斎(とき)ありて会下僧(ゑけそう) にゆくはと/n3-22l
text/sesuisho/n_sesuisho3-048.txt · 最終更新: 2021/10/03 18:39 by Satoshi Nakagawa