text:sesuisho:n_sesuisho3-036
醒睡笑 巻3 不文字
17 小豆餅のあたたかなるを夜咄のもてなしに出だす・・・
校訂本文
小豆餅のあたたかなるを、夜咄(よばなし)のもてなしに出だす。その席に奥山の者ありし。中老ほどの人、餅を見る見る、「とかく夜食は多く食ふが毒にてある」よし言ふを聞き、「さては餅のことぞ」と思ひ、かの山賤(やまがつ)、在所にて、昼の雑掌(ざつしやう)に大豆の粉をそへ餅を出だす時、「かまへてみなお聞きあれ。さる人の言はれしが、この夜食は多く食ふが毒にて候ふ」と。
翻刻
一 小豆餅のあたたかなるを夜咄のもてなしに いだす其席におく山の者ありし中老ほどの 人餅を見る見るとかく夜食はおほくくふか毒(とく) にてあるよしいふをききさては餅の事ぞと おもひ彼山賤在所にて昼の雑掌に大豆の 粉をそへ餅をいだす時かまへてみなおききあれ さる人のいはれしが此夜食はおほくくふか毒 にて候と/n3-17l
text/sesuisho/n_sesuisho3-036.txt · 最終更新: 2021/09/26 16:38 by Satoshi Nakagawa