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text:sesuisho:n_sesuisho2-099

醒睡笑 巻2 賢だて

9 老父ありたださへかすむ目もとの暮れ方に二階より降りんとする・・・

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老父あり。たださへかすむ目もとの暮れ方に、二階より降りんとする。下に息子この居けるを客人かと思ひ、ひたもの慇懃(いんぎん)に請(しやう)じけり。

後に、「私で候ふ」と申せば、「そちとは始めよりわれも知りたれど、『わがやうなる公界(くがい)知らずは、ちと仕付けを教へん』とて、それに言うたよ」と。

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一 老父あり唯さへかすむ目もとの暮かたに二階
  よりをりんとする下にむすこの居けるを
  客人かとおもひひたものいんぎんに請しけり
  後に私て候と申せはそちとは始めよりわれも
  知たれと我やうなるくかいしらすはちと
  仕付ををしへんとてそれにいふたよと/n2-50l
text/sesuisho/n_sesuisho2-099.txt · 最終更新: 2021/09/03 22:57 by Satoshi Nakagawa