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醒睡笑 巻2 賢だて

1 ぬからぬ顔したる男大名のもとへ参る・・・

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ぬからぬ顔したる男、大名のもとへ参る。「何とて久しく見えなんだぞ」。手をついて、「この一両月、癲癇気(てんかんけ)に取り紛れ不参(ふさん)つかまつり候ふ」と申し上げし。

友達と座を出づるに、「そちは咳気(がいき)をこそわづらひつれ。ありのまま申さずし、いらぬ病の名を言ひつることよ」。「いや、咳気は初心(しよしん)に誰も知りたり。ちととばして『てんかん』と言はいでは」。

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   賢達て
一 ぬからぬ顔したる男大名のもとへ参る何とて
  久見へなんだそ手をついて此一両月癲
  癇気に取紛不参仕候と申上し友達と
  座を出るにそちは咳気をこそわつらひつれ
  ありのまま申さすしいらぬ病の名をいひつる
  事よいや咳気は初心に誰もしりたりちと
  とはしててんかんといはひては/n2-47l
text/sesuisho/n_sesuisho2-091.txt · 最終更新: 2021/08/31 19:03 by Satoshi Nakagawa