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醒睡笑 巻2 吝太郎(しはたらう)
8 客来たるに亭出でて飯はあれども麦飯じやほどに嫌であらうずと言ふ・・・
校訂本文
客来たるに、亭(てい)出でて、「飯はあれども麦飯(むぎめし)じやほどに、嫌(いや)であらうず」と言ふ。「われは生得(しやうとく)麦飯が好きじや。麦飯ならば三里も行きて食はう」と言ふ。「さらば」とて振舞ひけり。
またある時、件(くだん)の人来たる。「そちは麦飯好きぢやほどに、米の飯はあれども出ださぬ」と言ふ。「いや、米の飯ならば五里行かう」とて、また食うた。
翻刻
一 客来るに亭出て飯はあれとも麦飯しやほ どにいやであらふずといふ我れは生得むき 飯かすきしや麦飯ならは三里もゆきてくはふ といふさらはとてふるまひけり又ある時件の 人来るそちは麦飯ずきちやほどに米の飯 はあれとも出さぬといふいや米の飯ならは 五里ゆかふとて又くふた/n2-42r
text/sesuisho/n_sesuisho2-078.txt · 最終更新: 2021/08/22 21:58 by Satoshi Nakagawa