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text:sesuisho:n_sesuisho2-067

醒睡笑 巻2 躻(うつけ)

35 ある者饂飩の出でたる席にかたのごとく賜はりあげくに言ふ・・・

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ある者、饂飩(うどん)の出でたる席に、かたのごとく賜はり、あげくに言ふ、「方々まで実(み)ばかりを下さるれども、つひにこの花を見たことはござない。こなた1)になうてはあるまい。とてもの思ひ出に見参らせたい」と言ふ。「何事を言ふぞや」と問へば、「誰も知りて申すは、優曇華(うどんげ)の花」と。

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一 ある者饂飩の出たる席にかたのことくたま
  はりあげくにいふ方々まて実はかりを下さる
  れとも終に此花を見た事は御座ないと
  なたになうてはあるまいとてもの思出に見
  参らせたいといふ何事をいふそやととへは/n2-36l
  誰もしりて申はうとんけのはなと/n2-37r
1)
「こなた」は底本「となた」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho2-067.txt · 最終更新: 2021/08/16 12:15 by Satoshi Nakagawa