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text:sesuisho:n_sesuisho2-054

醒睡笑 巻2 躻(うつけ)

22 道行ぶりに向うより来る者を見れば百八の数珠を首にかけ・・・

校訂本文

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道行ぶりに向うより来る者を見れば、百八の数珠(じゆず)を首にかけ、高野笠(かうやがさ)のやうなるを着て歩む者あり。

うつけ者、これを見付け、手を打つて感ずる。「そなたが着たる笠は、ことのほか大きや。何としてその数珠をばうなじにかけられた」と問ふ。「いや、これはまづ数珠を首にかけて、後に笠を着て候ふ」と言ふたれば、「とかく物をば聞かいでは」と。

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一 道行ぶりにむかふよりくる者を見れは百八の
  数珠をくひにかけ高野笠の様なるをきて
  あゆむ者ありうつけものこれを見付手を/n2-31l
  うつてかんずるそなたかきたる笠は事の
  外大やなにとしてそのしゆずをはうなじに
  かけられたととふいやこれはまつしゆすを
  くひにかけて後に笠をきて候といふたれは
  とかく物をばきかいではと/n2-32r
text/sesuisho/n_sesuisho2-054.txt · 最終更新: 2021/08/10 16:39 by Satoshi Nakagawa