text:sesuisho:n_sesuisho2-053
醒睡笑 巻2 躻(うつけ)
21 亀はいかほど生くるものぞ万年生くるといふ・・・
校訂本文
「亀はいかほど生くるものぞ」。「万年生くるといふ」。分別あり顔の人、亀の子をとらへて、「今から飼うてみんものを」と言ふ。傍らの者あざ笑つて、「命は槿花(きんくわ)の露のごとし。たとひ長寿を保つも百歳を出でず。万年の命を何として心みんや」と言へば、「げにも悪(わる)う思案したよ」と。
翻刻
一 亀はいかほといくる物そ万年いくるといふ分/n2-31r
別ありかほの人亀の子をとらへて今からかふ てみん物をといふかたはらの者あさわらつて 命は槿花の露のことしたとひ長寿を たもつも百歳をいでず万年の命をなん として心みんやといへはけにもわるふ思案 したよと/n2-31l
text/sesuisho/n_sesuisho2-053.txt · 最終更新: 2021/08/10 16:29 by Satoshi Nakagawa