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text:sesuisho:n_sesuisho2-041

醒睡笑 巻2 躻(うつけ)

9 利根をよそにあづけたる亭主なまじひに小便当にて・・・

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利根をよそにあづけたる亭主、なまじひに小便当(こべんたう)にて、使ふ者のあまたあれども、うつとりにし、朝起きなどする者なし。

ある時、中間(ちうげん)の名を呼ぶまではなく、われは寝てゐながら、「夜はほのぼのとあかさかや1)」と舞ひければ、内の者聞く聞く、「待てしばし、待てしばし。夜はまだ深きぞ。白むは花の陰なりけり2)」と。よい返答の。

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一 利根をよそにあつけたる亭主なましゐに
  こ便当にてつかふ者のあまたあれともうつ/n2-26r
  とりにしあさおきなとする者なし有時
  中間の名をよふまてはなくわれはねて
  ゐなから夜はほのほのとあかさかやと舞
  けれは内の者きくきくまてしばしまて
  しはし夜はまたふかきぞしらむは花の陰
  なりけりとよい返答の/n2-26l
1)
謡曲「熊坂」
2)
謡曲「西行桜」
text/sesuisho/n_sesuisho2-041.txt · 最終更新: 2021/07/30 13:06 by Satoshi Nakagawa