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text:sesuisho:n_sesuisho2-037

醒睡笑 巻2 躻(うつけ)

5 ある人風呂に入りてゐけるがにはかに顔の色変り・・・

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ある人、風呂に入りてゐけるが、にはかに顔の色変り、「あら苦しや。船心(ふなごころ)がある」と言うて吐逆(とぎやく)する。「こは何事ぞ。海はなし、船はなし。異な病や」と不審しければ、「さればよ、ただ今これへ入られたる大ひげの男、このほど乗りし船の船頭に、よく似たと思うてあれば、そのまま酔うた」と。

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一 ある人風呂に入てゐけるか俄にかほの色かはり
  あらくるしやふな心があるといふて吐逆す
  るこは何事そ海はなし船はなしゐな病
  やとふしんしけれはされはよ只今是
  へ入られたる大ひげの男此ほとのりし船の
  船頭によくにたとおもふてあれはそのまま
  よふたと/n2-24r
text/sesuisho/n_sesuisho2-037.txt · 最終更新: 2021/07/27 12:19 by Satoshi Nakagawa