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text:sesuisho:n_sesuisho1-147

醒睡笑 巻1 祝ひ過ぎるも異なもの

15 春の始めの朝より千秋万歳ともまた鳥追ともいふかや・・・

校訂本文

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春の始めの朝より、千秋万歳(せんずまんざい)とも、また鳥追(とりおひ)ともいふかや、家ごとを歩(あり)きて慶賀を歌ふに、「千町万町の鳥追が参つた」と言うて、ある門の内へ入らんとしければ、戸のわきに子を生みて人に恐るる犬ありしが、ふと向脛(むかすずね)をしたたか食らひけるまま、「あれたのしや」と言ふを、痛さに、「あらかなしや」と。

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翻刻

一 春の始の朝より千秋萬歳とも又鳥追(とりおい)とも
  いふかや家毎(いゑごと)をありきて慶賀をうたふに
  千町万町の鳥追か参たといふてある門
  の内へいらんとしけれは戸のわきに子をうみて
  人におそるる犬ありしが不図(ふと)むかうすねを
  したたかくらひけるままあれたのしやといふ
  をいたさにあらかなしやと/n1-74l
text/sesuisho/n_sesuisho1-147.txt · 最終更新: 2021/06/08 12:53 by Satoshi Nakagawa