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醒睡笑 巻1 祝ひ過ぎるも異なもの
8 有馬の湯に入りける者宿主と語るついでに・・・
校訂本文
有馬の湯に入りける者、宿主と語るついでに、「鶏は羽音(はねおと)を『ばたばた』として、『とつてかう』と鳴くといふはまことかや」といふ者ありしに、宿主、「いつとよ、有馬の鶏は一向よそのと変はりて、元日の暁より歳(とし)の暮れの夜明けまで、羽音(はをと)を『がさがさ1)』として『かつけかう2)』と鳴くなり」とぞ。
身を思ふから道なきことを。
翻刻
一 有馬の湯に入ける者宿主とかたるついて に鶏(にはとり)ははねをとをはたはたとしてとつて かうとなくといふはまことかやといふ者ありし に宿主いつとよありまの鶏は一向よそのと かはりて元日の暁より歳のくれの夜あけ まてはをとをかさかさとしてかつけかうと/n1-70l
なくなりとそ身をおもふから道なき 事を/n1-71r
text/sesuisho/n_sesuisho1-140.txt · 最終更新: 2021/06/04 17:15 by Satoshi Nakagawa