text:sesuisho:n_sesuisho1-085
醒睡笑 巻1 落書
42 昔能登の太守畠山殿の時不慮の取り合ひ出で来合戦のありつる・・・
校訂本文
昔、能登の太守畠山殿の時、不慮の取り合ひ出で来、合戦のありつる。陣の張りやう、一番に松浪1)、二番に小島、三番に梶と三段なりしが、先の松浪敗軍し、次の小島討たれにければ、「先(さき)くづれたりとも、三段目の梶が助(す)けたらんには、大事あるまいものを」と沙汰せし時、
沖津舟(おきつふね)小島が先に沈みしは松浪荒く梶弱きゆゑ
翻刻
一 昔能登の大守畠(はたけ)山殿の時不慮(ふりよ)の取 合出来合戦(かつせん)のありつる陣のはりやう一/n1-37r
番に松浪二番に小嶋三番に梶と三段なり しか先の松浪敗軍(はいくん)し次の小嶋討れにけ れは先(さき)くつれたりとも三段目の楫かすけ たらんには大事有まひ物をと沙汰せし時 沖津舟(おきつふね)小しまかさきにしつみしは 松浪あらく梶よはきゆへ/n1-37l
1)
松浪義親
text/sesuisho/n_sesuisho1-085.txt · 最終更新: 2021/05/05 18:49 by Satoshi Nakagawa