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醒睡笑 巻1 謂へば謂はるる物の由来
26 七歩と濡るるとは何事ぞ・・・
校訂本文
「七歩(しつぽ)と濡るる」とは何事ぞ。
されば釈迦誕生の時、阿難陀竜王1)は湯を吐き、難陀竜王は水を吐く。この産湯に濡れながら、七歩を行ぜられしより起こりたる言葉ぞかし。浄土の無量寿経に、「従右脇生(じううけうしやう)、現行七歩(げんぎやうしちほ)」といへり。しとど濡るるも、七歩となり。
翻刻
一 七歩(しつほ)とぬるるとは何事そされは尺迦誕生(たんしやう)の 時阿難陀龍(なんたりう)王は湯を吐(はき)難陀竜(なんたりう)王は水を吐 此うぶ湯にぬれながら七歩を行せられし より起(おこ)りたることばそかし浄土の無量寿経に従(しう) 右脇生現行七歩(うけうしやうげんきやうしつほ)といへりしととぬるるも七歩と也/n1-14l
1)
「跋難陀竜王」の誤り。
text/sesuisho/n_sesuisho1-026.txt · 最終更新: 2021/04/07 15:38 by Satoshi Nakagawa