text:myotatsu:ka_myotatsu17
17 大中臣助真
校訂本文
また常陸国なこの郡1)の郡司大中臣助真は、法華経八部、最勝王経百部、書き供養し奉れり。この功徳によりて、居薩羅国(けうさらこく)の王となれり。ただし、その経、なからは王の宮に納めずして悪しき泥の中に捨てたり。そのゆゑは、経を書かせし時に、経書く法師に、日々に酒を三度(みたび)飲ませし罪なり。残りは功徳なり。
翻刻
又常陸国ナコノ郡ノ郡司大中臣助真ハ法花経八部最勝王経 百部書供養シタテマツレリ此功徳ニヨリテケウサラ国ノ王 トナレリタタシ其経ナカラハ王ノ宮ニヲサメスシテアシキ泥ノ中ニ ステタリ其故ハ経ヲカカセシ時ニ経書法師ニ日々ニ酒ヲ三度 乃マセシ罪也残ハ功徳ナリ/n2-55r・e2-52r
1)
那珂郡か。
text/myotatsu/ka_myotatsu17.txt · 最終更新: 2024/10/07 23:31 by Satoshi Nakagawa