ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:karakagami:m_karakagami2-22

唐鏡 第二 周の始めより秦にいたる

22 宋 景公

校訂本文

<<PREV 『唐鏡』TOP NEXT>>

宋の景公の時、熒惑(けいこく)1)心(しん)2)を守る3)。子韋を召して問ふ。子韋が曰く、「君の慎みなり。相(しやう)に移すべし」。公の曰く、「相は共に国を治む」。子韋が曰く、「民に移すべし」。公の曰く、「民死なば誰にか君たらん」。子韋が曰く、「歳に移すべし」。公の曰く、「歳餓ゑ民死ぬ、誰かわれをもて君とせむ」。子韋が曰く、「君、至徳の言三つあり。天必ず三度(みたび)君を賞せん」と申すに、熒惑4)つひに三舎に退く。

熒惑星(けいこくしやう)は七つあり。一つの星に三年をあてて、二十一年の命を延べたり。

<<PREV 『唐鏡』TOP NEXT>>

翻刻

宋(ソウノ)景公の時熒(蛍)惑(ケイコク)心(シン)を守る子韋(ヰ)を召て問子韋か曰く
君の慎(ツツシミ)なり相に移へし公の曰く相(シヤウ)は共に国を治む子韋か
曰く民に移へし公の曰く民死は誰にか君たらん子韋か曰く歳
に移へし公の曰く歳餓(ウエ)民死誰か我をもて君とせむ子韋
か曰く君至徳の言三あり天必す三たひ君を賞せんと申すに/s47r・m84
蛍惑(ケイコク)遂に三舎に退く蛍惑星(ケイコクシヤウ)は七あり一の星に三年を
あてて二十一年の命を延たり呉王僚(コワウレイ)は王餘昧(ハツ)か子なり王餘昧か/s47l・m85

https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100182414/viewer/47

1)
火星
2)
心宿。さそり座のアンタレス付近。
3)
熒惑守心といい戦乱などの予兆とされた。
4)
底本表記「蛍惑」。以下同じ。
text/karakagami/m_karakagami2-22.txt · 最終更新: 2022/12/09 22:38 by Satoshi Nakagawa