text:ise:sag_ise047
第47段 昔男ねんころにいかでと思ふ女ありけり・・・
校訂本文
昔、男、ねんごろに『いかで』と思ふ女ありけり。されど、この男をあだなりと聞きて、つれなさのみまさりつつ言へる、
大幣(おほぬさ)の引く手あまたになりぬれば思へどえこそ頼まざりけれ
返し、男、
大幣と名にこそ立てれ流れてもつひに寄る瀬はありといふものを
翻刻
むかしおとこねんころにいかてと思ふ女 ありけりされとこのおとこをあたなりと ききてつれなさのみまさりつついへる おほぬさのひくてあまたになりぬれは おもへとえこそたのまさりけれ 返しおとこ おほぬさと名にこそたてれなかれても/s55l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/55?ln=ja
つゐによるせはありといふものを/s56r
text/ise/sag_ise047.txt · 最終更新: 2024/01/08 12:10 by Satoshi Nakagawa