text:ichigonhodan:ndl_ichigon109
一言芳談抄 巻之下
109 法然上人常の御詞に云はくあはれ今度しおほせばやなと・・・
校訂本文
法然上人、常の御詞(おんことば)に云はく、「あはれ、今度しおほせばやな」と。その時、乗願房(じやうぐわんばう)1)申さく、「上人だにも、かやうに不定(ふぢやう)げなる仰せの候はんには、まして、その余(よ)の人は、いかが候ふべき」と。その時、上人うち笑ひてのたまはく、「蓮台に乗らんまでは、いかでかこの思ひは絶え候ふべき」云々。
翻刻
。法然(ほうねん)上人つねの御詞(おんことば)に云。哀(あはれ)今度(こんど)しおほせばやなと。其 時乗願房(じやうぐはんばう)申さく。上人だにもか様(やう)に不定(ふぢやう)げなる 仰(おほせ)の候はんには。まして其余(そのよ)の人は。いかが候べきと其 時上人うちわらひて。の給はく。蓮台(れんだい)にのらんまで は。いかでか此思ひはたえ候べき云々/ndl2-16r
1)
宗源
text/ichigonhodan/ndl_ichigon109.txt · 最終更新: 2023/10/31 10:40 by Satoshi Nakagawa