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一言芳談抄 巻之下
91 明遍云はく出家遁世の本意は道のほとり野辺の間にて死せむことを・・・
校訂本文
明遍(みやうへん)云はく、「出家遁世の本意(ほんい)は、『道のほとり、野辺(のべ)の間にて死せむことを、期(ご)したりしぞかし』と、かくのごとく思ひつれば、いかに心細きことにあふとも、一念も人を恨むべからず。それにつけても、仏力(ぶつりき)を仰(あふ)ぐべきなり」。
翻刻
明遍(みやうへん)云。出家遁世(しゆつけとんせい)の本意(ほんい)は。道(みち)のほとり。野(の)べの間(あひだ)に て死(し)せむことを。期(ごし)たりしぞかしと。如此(かくのごとく)おもひつれば 。いかに心ほそき事にあふとも。一念(ねん)も人をうらむべ からず。其(それ)につけても。仏力(ぶつりき)をあふくべきなり/ndl2-12l
text/ichigonhodan/ndl_ichigon091.txt · 最終更新: 2023/10/09 11:40 by Satoshi Nakagawa