text:ichigonhodan:ndl_ichigon076
一言芳談抄 巻之下
76 有云はく高野の空阿弥陀仏の御庵室のしつらひの・・・
校訂本文
有(あるひと)云はく、「高野(かうや)の空阿弥陀仏(くうあみだぶつ)1)の、御庵室(おんあんじつ)のしつらひの、便宜(びんぎ)悪しげにて、『少し、かやうにしたらば良かりなむ』と、御たくみありける間、『さやうしつらひなさん』と人申しければ、『いやいやあるべからず。これまた厭離(えんり)のたよりなり。よしと思ひて、心とめて、無益(むやく)なり』と仰せられけり」。
翻刻
有云。高野(かうや)の空阿弥陀仏(くうあみだぶつ)の。御庵室(おんあんじつ)のしつらひ の。びんぎあしげにて。すこしか様(やう)にしたらば。よ かりなむと。御たくみありける間。さやうしつらひ/ndl2-8r
なさんと。人(ひと)申ければ。いやいやあるべからず。是又(これまた)厭(ゑん) 離(り)のたよりなり。よしと思ひて心とめて。無益(むやく) なりとおほせられけり/ndl2-8l
1)
明遍
text/ichigonhodan/ndl_ichigon076.txt · 最終更新: 2023/09/19 15:25 by Satoshi Nakagawa