さきもりうた
万葉集に収められた、防人とその家族の作った歌。巻14に短歌5首・20に長歌1首、短歌91首のほか、「或云」に従えば巻13に防人の妻の作の長歌1首、短歌1首がある。ただし、防人歌の語が用いられているのは巻14のみ。
防人とは、上代から中古にかけて辺境の防衛にあたった兵士のこと。特に北九州を防衛し、当初は全国から徴集されたが、天平2年以後が東国から徴集された。
東歌とともに、万葉集に収録された東国の民衆による歌として特異な位置を占めている。