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rhizome:歴史的仮名遣い

歴史的仮名遣い

れきしてきかなづかい

概要

日本語を仮名で表記する際の方式の一つとして、過去の文献に典拠を求める仮名遣い。旧仮名遣いともいう。なお、対義語は現代仮名遣い。

一般的に歴史的仮名遣いといった場合、後述する契沖仮名遣いを指す。

平安時代の仮名遣い

平安時代中期までは、発音と表記がほぼ一致していたが、平安時代後期に入り、「い」「え」「お」と「ゐ」「ゑ」「を」や語中、語尾のハ行とワ行が同音になったため、それらが混同されるようになった。

定家仮名遣い

表記の混乱は鎌倉時代に入りいっそうはげしくなったため、『下官集』の著者(藤原定家か)はこれを統一するため、過去の歌集や仮名文を参考にして、一つの基準を作った。同時期に、源親行編・定家監修の書を親行の孫、行阿が増補した『仮名文字遣』が伝わり、これが「定家仮名遣い」として流布した。

定家仮名遣いには批判もあったが、定家の名もあって、主に歌人の間で広く浸透した。

契沖仮名遣い

江戸時代に入り、さらに発音が変化するなか、契沖により定家仮名遣いの大改訂が行なわれた。契沖は平安時代中期以前の文献には、仮名の用法が一定していて厳然たる使い分けがされていることを発見し、それを元禄6年(1693)『和字正濫抄』にまとめた。

契沖の説は荷田春満賀茂真淵らの国学者に認められ、世に広まっていった。これを「契沖仮名遣い」といい、以後、明治を経て、昭和21年の国語審議会による現代仮名遣案まで、仮名遣いのデファクトスタンダードとなる。

rhizome/歴史的仮名遣い.txt · 最終更新: 2014/03/16 04:39 by 127.0.0.1