明月記

めいげつき

別名を照光記という。また、一部分が別に流布したものに、『後鳥羽院熊野御幸記』 がある。

治承四年(1180)〜嘉禎元年(1235)にわたる藤原定家日記で、鎌倉時代の 史実を知るための一級史料となっている。

定家自筆本といわれる巻子本58巻が冷泉家時雨亭文庫にあり、平成12年6月国宝に 指定された。

しかし、この本は定家自筆本とはいうものの、筆跡や書式に違いがあり、定家とその近い 人物による清書本であるという説や、前記の清書本と定家が毎日つけていた日記原本のと りあわせであるという説などがある。

また、この本には定家への消息などの紙背文書が多く含まれ、貴重な資料となっている。

定家自筆になる『明月記』は、時雨亭文庫所蔵本のほか、断巻が古筆などとして諸 家に所蔵されている。

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