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text:tosanikki:se_tosa17

土佐日記

1月8日 大湊

校訂本文

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八日、障(さは)ることありて、なほ同じ所なり。今宵、月は海にぞ入る。これを見て業平1)の君の、「山の端(は)逃げて入れずもあらなむ2)」といふ歌なむ思ほゆる。もし海辺にて詠まましかば、「波立ちさへて入れずもあらなむ」とも詠みてましや。今この歌を思ひ出でて、ある人の詠めりける、

 照る月の流るる見れば天の川出づるみなとは海にざりける

とや。

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八日さはることありてなほおなし
ところなりこよひつきはうみにそ
いるこれをみてなりひらのきみの/kd-17r
やまのはにけていれすもあらなむと
いふうたなむおもほゆるもしうみへ
にてよまましかはなみたちさへて
いれすもあらなむともよみてましや
いまこのうたをおもひいててあるひ
とのよめりける てるつきのなか
るるみれはあまのかはいつるみなとは
うみにさりけるとや/kd-17l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100421552/17?ln=ja

1)
在原業平
2)
伊勢物語』82
text/tosanikki/se_tosa17.txt · 最終更新: 2023/09/08 22:02 by Satoshi Nakagawa