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text:sesuisho:n_sesuisho2-098

醒睡笑 巻2 賢だて

8 目医者ありその身の目は腐りてゐながら目薬は天下一也と自慢し・・・

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目医者あり。その身の目は腐りてゐながら、「目薬は天下一也」と自慢し、「一度させば、かすみ晴るる。二度させば、まけも切るる1)」など広言せしを、「さて、そなたの目は何とて治らぬ」。「されば、わが薬妙なればこそ、頬先にてとどめたれ。さなくば頤(おとがひ)までも腐りなん」と。

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一 目医者あり其身の目はくさりてゐながら
  めくすりは天下一也としまんし一度させは
  かすみはるる二度させばまけもきるとなと
  広言せしを扨そなたの目は何とてなを
  らぬされはわか薬妙なれはこそ頬先にて
  とどめたれさなくは頤まてもくさりなんと/n2-50r
1)
「切るる」は底本「きると」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho2-098.txt · 最終更新: 2021/09/03 22:40 by Satoshi Nakagawa