ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho2-097

醒睡笑 巻2 賢だて

7 人の親の大事にわづらふ時針立の上手とて呼び来たる・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

人の親の大事にわづらふ時、針立(はりたて)の上手1)とて呼び来たる。針立、すなはち天突の穴に針刺す。息女あまたまはりにゐて見るうちに、気色変はる。「ととの顔の色が変はりたるは」と、はらはら2)泣くを見て、針立、目を見出だし、「何事に、むざと泣くまい」と戒め、針を抜くと同時に、「さあ泣け」と言ふ。

「わつ」と泣くまぎれに出でて逃げたり。

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 人の親の大事にわつらふ時針立の上手とて
  よひ来る針立すなはち天突の穴にはり
  さす息女あまたまはりにゐて見る内に気
  色かはるととの顔の色かかはりたるはとはら
  ばら泣を見て針立目を見出し何事に/n2-49l
  むさとなくまいといましめ針をぬくと同
  時にさあなけといふわつとなくまぎれに
  出てにけたり/n2-50r
1)
鍼師
2)
「はらはら」は底本「はらばら」もしくは「はしばし」。
text/sesuisho/n_sesuisho2-097.txt · 最終更新: 2021/09/03 22:18 by Satoshi Nakagawa