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十訓抄 第七 思慮を専らにすべき事

7の13 大伴黒主は形よく心優にて女見て心を動かす・・・

校訂本文

大伴黒主は、形よく、心優にて、女見て、心を動かす。

隣に住みける女、この男を思ひかけて、あやしき下衆嫗のさまをつくりて、夜行きて、門をたたきて、「東の隣の女の、火取りに参れるなり」と言ひけるを、男、かくとも知らで、火ばかりを取らせて、むなしく帰したりければ、朝に、留めぬことをうち恨みて、

  たはれをとわれは来つるを宿かさずわれを帰せりおそのたはれを、

「たはれをとこ」は「狂男」と書けり。好士といふ心なり。「おそ」は「そらごと」なり。

翻刻

十四大伴黒主ハ、形ヨク心優ニテ、女見テ心ヲウコカス、隣
    ニスミケル女、此男ヲ思ヒカケテ、アヤシキケス嫗ノサ
    マヲツクリテ、ヨル行テ門ヲタタキテ、東ノ隣ノ女ノ火ト
    リニ参レル也ト云ケルヲ、男カクトモシラテ火ハカリヲ
    取セテ空クカヘシタリケレハ、朝ニトトメヌ事ヲウチ/k129
    恨テ、
      タハレヲト我ハキツルヲ宿カサス、ワレヲカヘセリオ
      ソノタハレヲ、
    タハレヲトコハ、狂男トカケリ、好士ト云心ナリ、オソハ、ソ
    ラコト也、/k130
text/jikkinsho/s_jikkinsho07-13.txt · 最終更新: 2016/02/04 23:28 by Satoshi Nakagawa
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