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text:chomonju:s_chomonju587

古今著聞集 怪異第二十六

587 清長卿貫首の時殿上人どもあひ伴ひて船岡に向ひて虫を捕りけるに・・・

校訂本文

清長卿1)貫首(くわんじゆ)の時、殿上人どもあひ伴ひて2)船岡に向ひて、虫を捕りけるに、風悪しく吹きて、清長朝臣の冠を吹き落してけり。

件(くだん)の冠、遠く吹かれ行きて、死人のかうべのありけるに、人のわざと着せたるやうにかかりにけり。人々あさみあへりけり。さてしもあるべきことならねば、いぶせながらその冠を取りて着てけり。その後四・五年ばかりありて失せられにけり。

かやうのことは怪しむべきことなり。

翻刻

清長卿貫首のとき殿上人とも相伴て伴て船岡にむかひ
て虫をとりけるに風あしくふきて清長朝臣の冠をふ
き落してけり件の冠とをくふかれ行て死人のかうへの
ありけるに人のわさときせたるやうにかかりにけり人々
あさみあへりけりさてしもあるへき事ならねはいふせ
なからその冠をとりて着てけりそののち四五年はかり
ありてうせられにけりかやうの事はあやしむへき事也/s466l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/466

1)
藤原清長
2)
「あひ伴ひて」は底本「相伴て伴て」。諸本により訂正。


text/chomonju/s_chomonju587.txt · 最終更新: 2020/11/08 11:23 by Satoshi Nakagawa