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text:chomonju:s_chomonju457

古今著聞集 哀傷第二十一

457 敦光朝臣江帥の旧宅を過ぐとて・・・

校訂本文

敦光朝臣1)、江帥2)の旧宅を過ぐとて、

 往時渺3)茫共誰語 往時渺茫(べうばう)として誰と共にか語らん

 閑庭唯有不言花 閑庭ただ不言の花あり

と作りたりける、いとあはれにこそ侍れ。

後京極殿4)、詩の十体を撰ばせ給ひけるに、この詩をば幽玄の部に入れさせ給ひたりける。

翻刻

系図に註せるおほつかなき事也尋侍へし敦光
朝臣江帥の旧宅をすくとて往時眇茫共誰
語閑庭唯有不言花と作りたりけるいとあはれに
こそ侍れ後京極殿詩の十体を撰はせ給けるに
此詩をは幽玄の部に入させ給たりける/s361l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/361

1)
藤原敦光
2)
大江匡房
3)
「渺」は底本「眇」。文脈により訂正。
4)
藤原良経
text/chomonju/s_chomonju457.txt · 最終更新: 2020/08/01 17:00 by Satoshi Nakagawa