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text:chomonju:s_chomonju247

古今著聞集 管絃歌舞第七

247 宇治殿平等院を建立させ給ひて延久元年夏ごろ初めて一切経会を行はせ給ひけり・・・

校訂本文

宇治殿1)、平等院を建立させ給ひて、延久元年2)夏ごろ、初めて一切経会を行はせ給ひけり。法会の儀式・堂の荘厳、心・言葉も及びがたし。

大行道楽(だいぎやうだうがく)に渋河鳥(しむがてう)を奏しけるに、多政資、一の者にて、一鼓(いつこ)かけて池辺をめぐるとて、「鴨のむなそり」といふ秘曲をつかうまつりける、時にとりていみじくなん侍りける。

翻刻

宇治殿平等院を建立させ給て延久元年(白川)(後三条歟)夏比はし
めて一切経会を行なはせ給けり法会儀式堂荘厳心こ
と葉もおよひかたし大行道楽に渋河鳥を奏しけ
るに多政資一者にて一鼓かけて池辺をめくるとて鴨
のむなそりといふ秘曲をつかふまつりける時にとりて
いみしくなん侍ける/s165r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/165

1)
藤原頼通
2)
底本、右に「白川」、左に「後三条歟」と傍書。
text/chomonju/s_chomonju247.txt · 最終更新: 2020/03/28 19:46 by Satoshi Nakagawa