text:chomonju:s_chomonju107
古今著聞集 文学第五
107 応神天皇十五年に百済国より博士経典をあひ具して来たる・・・
校訂本文
応神天皇十五年に百済国より、博士、経典(けいてん)をあひ具して来たる。しかうして後、経史(けいし)わが国に学び伝へたり。
そもそも、「詩は志のゆく所なり。心にあるを志とす。言に表すを詩とす」と言へり。天武天皇第三の御子大津皇子、初めて詩賦を作り給ふ。それよりこのかた、春風秋月の幽静(いうせい)なる、みな嘯詠(せうえい)の心をもよほし、詞花言葉の聯翩(れんぺん)なる、ことごとく錦繍(きんしう)の色を裁するものなり。
翻刻
応神天皇十五年に百済国より博士経典を相具 してきたるしかうして後経史我国にまなひつたへたり 抑詩は志のゆく所也心にあるを志とす言にあらはすを/s88l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/88
詩とすといへり天武天皇第三御子大津皇子はし めて詩賦をつくり給それよりこのかた春風秋月之幽 静也皆嘯詠の心をもよをし詞花言葉之聯翩也 悉錦繍の色を裁するものなり/s89r
text/chomonju/s_chomonju107.txt · 最終更新: 2020/02/04 00:17 by Satoshi Nakagawa