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世継物語
第40話 一条院御時中宮五節出ださせ給ふを見るに小兵衛といふが・・・
校訂本文
今は昔、一条院御時、中宮五節出ださせ給ふを見るに、小兵衛といふが、ある紐1)の解けたりければ、実方中将寄りて結ふに、ただならず、
足引の山あひの水は氷れるをいかなるひもの解くる成らん
昔は后の五節に出させ給ひけるとぞ。この后、『清少納言御集』におはします。まこと歌返し。清少納言。
うは氷あはに結べる紐なればかざす日かげにゆるぶばかりぞ
翻刻
今は昔一条院御時中宮五節いたさせ給を見に小兵 衛といふかあるひものとけたりけれは実方中将よりて 結ふにたたならす 足引の山あひの水はこほれるをいかなるひものとくる成らん むかしは后の五節に出させ給けるとそ此后清少納言御 しうにおはしますまこと哥返清少納言 うは氷あはにむすへるひもなれはかさす日かけにゆるふ斗そ/22オ
1)
枕草子「赤紐」
text/yotsugi/yotsugi040.txt · 最終更新: 2014/09/25 02:35 by Satoshi Nakagawa