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text:takafusa:s_takafusa076

隆房集

76 かねてよりありし迷ひにしるかりきかかる恋路にたどるべしとは

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過ぎにし方のことどもは、いかにも忘れず思ひ出づる中に、夢のやうにてうちとけしに、あさましかりし所に、月なき空のけしき、いとおぼつかなくて、帰るさの道にまどひたりしことも思ひ出でられて、

  かねてよりありし迷ひにしるかりきかかる恋路にたどるべしとは

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翻刻

 すきにしかたのことともは
 いかにもわすれすおもひ
 いつる中にゆめのやうにて
 うちとけしにあさましかり
 しところに月なきそら
 のけしきいとおほつかなく
 てかへるさのみちにまとひ
 たりしことも思いてられて
かねてよりありしまよひにしるかりき
かかるこひちにたとるへしとは/s34l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100002834/34?ln=ja

text/takafusa/s_takafusa076.txt · 最終更新: 2024/05/26 22:23 by Satoshi Nakagawa