text:takafusa:s_takafusa071
71 一筋に同じ流れと見つるよりこの水茎も袖濡らしけり
校訂本文
ある所の文(ふみ)とて、人の持たるを見しかば、この忍ぶ人の手に似たりしを、つらつら思へば、同じ所に住む人なりけり。いとあはれにて、その文を、うちも置かずまもられしことを、
一筋に同じ流れと見つるよりこの水茎も袖濡らしけり
翻刻
あるところのふみとて人の もたるを見しかはこのしの ふ人のてににたりしをつ らつらおもへはおなし所にすむ 人なりけりいとあはれにてその ふみをうちもおかすまもられ しことを ひとすちにおなしなかれとみつるより この水くきも袖ぬらしけり/s32l
text/takafusa/s_takafusa071.txt · 最終更新: 2024/05/18 20:32 by Satoshi Nakagawa