text:takafusa:s_takafusa010
10 何となく言ひし心を書き流すその水茎の跡ぞうれしき
校訂本文
思ひあまり、何となく口ずさびし歌を、あはれとや聞きけむ、手習ひにしたりけるを、後に人の取りて見せしかば、「さすがに思ひ出でけるにや」と、あはれにて、
何となく言ひし心を書き流すその水茎(みづぐき)の跡ぞうれしき
翻刻
おもひあまりなにとなくくち すさひしうたをあはれとや ききけむてならひにしたり けるをのちに人のとりてみせしかは さすかにおもひいてけるにやと あはれにて なにとなくいひし心をかきなかす その水くきのあとそうれしき/s11r
text/takafusa/s_takafusa010.txt · 最終更新: 2024/03/10 11:42 by Satoshi Nakagawa