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醒睡笑 巻8 祝ひすました
14 京都六条道場に文閑といふ連歌の作者ありき・・・
校訂本文
京都六条道場1)に、文閑といふ連歌の作者ありき。その親の名を惣吉(そうきち)と呼ぶ。
ある時、かの惣吉、火事にあへり。そのみぎり、文閑、雄長老へ尋ねられたれば、長老出で合ひ、文閑に火事の噂を問うて後、
御親父(ごひんぷ)の貧乏の神を焼き払ひ惣吉事(さうきちじ)にやならんとすらん
右の惣吉、家焼けてより後、一段仕合はせなほり福貴なりしも。
翻刻
一 京都六条道場に文閑といふ連哥の作/n8-66l
者ありき其親の名を惣吉とよふある時 彼惣吉火事にあへり其砌文閑雄長老 へ尋られたれは長老出合文閑に火事の 噂をとふて後 御親父の貧乏の神をやきはらひ 惣吉事にやならんとすらん 右の惣吉家やけてより後一段仕合なをり 福貴也しも/n8-67r
1)
六条歓喜光寺
text/sesuisho/n_sesuisho8-167.txt · 最終更新: 2023/05/20 11:48 by Satoshi Nakagawa